アメリカ本土は、ケッペンの気候区分で7つの気候帯に分けられます。気候帯ごとに代表都市を選んで、それぞれのクライモグラフを作り重ねてみました。クライモグラフは、各月の平均気温(縦軸)と雨量(横軸)の交点をつないだグラフで、グラフの形状で気候の特徴が直感的に理解できます。 ちなみに、アラスカとカナダの北部はツンドラ気候です。ハワイは、年間を通じて貿易風を受け、それぞれの島の北東部は湿潤で、反対側は乾燥する複雑な気候です。ハワイ島のマウナケア山(標高4,205m)とマウナロア山(標高4,169m)は冬に冠雪。世界中の気候が凝縮されています。
■ 亜寒帯湿潤気候(シカゴ) 東部や中西部の大半が属す気候帯です。年間の寒暖の差が激しく、夏は多雨で冬の降雪もかなり多いのが特徴です。日本でも、北海道や北日本の一部が該当します。 緯度を比較してみるとシカゴは日本の函館付近ですが、ミネソタ州のミネアポリスともなると北海道最北端の宗谷岬に近い北緯ですから、冬の気温は平均的日本人に想像ができないレベルまで下がります。 ■温暖湿潤気候(アトランタ) アメリカ南部のほぼ全域と日本の本州の大半と九州、四国や沖縄が属す気候帯です。特に夏に降雨が多い日本の三大都市圏の気候は、比較的大西洋沿岸の気候に似ているかもしれません。 内陸部やメキシコ湾沿岸では、年間を通じて降水量はわりに一定しています。アトランタの北緯は日本の福岡とほぼ同じ、日本の三大都市圏はノースカロライナ州のシャーロットやテネシー州のメンフィスなどと同じ緯度の帯の上にあります。 ■熱帯モンスーン気候(マイアミ) ケッペンの気候区分によれば、フロリダ半島の先端部分だけは熱帯に属していることになります。マイアミの緯度は台湾の台北と同じで北緯25度、すぐ東にはバハマ諸島があります。 ■乾燥帯ステップ気候(デンバー) コロラド山系の山麓台地から西海岸の尾根シェラネバダ山脈に至る地域は乾燥帯です。乾燥帯は、不毛な砂漠と背が低い植物が自生するステップに二分されます。コロラド山脈の東のステップはグレートプレーンズと呼ばれる土壌が肥沃な高原です。農業には降水量が不十分ですが、広大な地下湖オガララ帯水層が世界的にも重要な穀倉地帯の灌漑を支えてきました。 ■乾燥帯砂漠気候(ラスベガス) グランドキャニオンを下ってカリフォルニア湾に至るコロラド川の流域には砂漠が広がっています。ラスベガスはフーバーダムでできたミード湖に水の供給を頼っていますが、近年は深刻な慢性的水不足に悩んでいます。 ■地中海性気候(サンフランシスコ) 夏は亜熱帯高気圧が張り出して好天が続きますが、冬になるとジェット気流が雨を運んで来るようになります。サンフランシスコは福島や新潟に近い北緯ですが、冬も暖かく、乾燥に強い柑橘類などの常緑広葉樹が育ちます。 ■西岸海洋性気候(シアトル) シアトルは緯度的には日本の最北端に対応しますが、アラスカ湾流(暖流)の影響で冬もあまり寒くなりません。夏は、地中海性気候の地域ほど乾燥せず、年間を通じて涼しく過ごしやすい地域です。 |