お店やレストランが休み


 現代の感謝祭(11月の第4木曜日)は日本でいえば差し詰めお正月…各地に散って行った子供たちが孫を連れて実家に帰ってくる「リユニオン(家族の再会)」の日です。

 木曜日から日曜日まで続けて4連休にする会社が多いので、駐在員の皆さんにとっては家族旅行に出かけるチャンスですが、クリスマスに営業している「年中無休」のスーパーやファーストフードでさえ、感謝祭当日だけは閉まっていることがあります。

 日本の元日並みですからご注意ください。くれぐれも、外出先で喰いっぱぐれないよう気をつけましょう。ショッピングはあきらめましょう。行楽施設は営業しているか必ず事前確認してください。

 翌金曜日はうって変わって、1年で最も盛り上がる「特売の日」です。日本では正月2日に福袋セールがありますが、アメリカでも数の限られた安売り商品を買おうと大型店には早朝から人々が殺到します。連休の前後は、空も陸も交通が混雑しますから、無理な計画を立てないよう十分注意してください。


感謝祭のご馳走


 感謝祭のご馳走といえば、もちろんターキー=七面鳥です。e-レシピで調理法を読んで、一度は自宅のオーブンで焼いてみましょう。日本の鶏が2ポンドならアメリカの鶏は4ポンド、さらに七面鳥ともなれば8〜16ポンド(4〜7s)と巨大ですからオーブンの出し入れもたいへんです。ご主人も手伝ってあげてください。

 手軽に楽しむおつもりなら、スーパーに予約しておきましょう。ターキーの丸焼きセットについてくる典型的なサイド・メニューは、肉汁で作ったグレービー・ソースとマッシュト・ポテト、パンと野菜を炒めたスタッフィング(わが家では、鶏の場合、パンとレバーや内臓をこね鶏に詰めて焼きあげます)、七面鳥につけて食べるゼリー状で甘いクランベリー・ソース、ハロウィーンでも有名なかぼちゃ製のパンプキン・パイ、ロール・パンです。七面鳥に飽きた人には、ハムのセットもあります。

 スーパーによってマチマチですが、予約は感謝祭の数日前に締め切ってしまいますから急いでください。たいていのアメリカ人は前日までに引き取りに行きますが、当日の午前中は営業しているお店もあります。

 子供たちが帰国就職して寂しい感謝祭を過ごす私たち夫婦には丸焼きは大き過ぎます。ここ数年は燻製のもも肉を買ってきてささやかにお祝いをしているのですがが、「ひとり1本(片足)」といえども老体にはかなり重たいですよ〜。


植民地とインディアン


The First Thanksgiving by Jean L.G. Ferris

 メイフラワー号で有名なピルグリム・ファーザーズがアメリカ移民の第1号だと信じておられる方も多いことでしょうが、イギリスの植民の試みは、それに先立つ16世紀後半のエリザベス1世時代に始まっていました。当時は、北アメリカを漠然と指して「(結婚することのなかったエリザベス1世)処女王の地=バージニア」と呼んでいたようです。

 日本で関が原の戦いが起きたのが1600年。イギリスは1588年にスペインの無敵艦隊を破り、それ以降にイギリスの海上覇権が築かれていきました。北米では、ジェームズ1世治世下の1607年に、現在のワシントンDCに近いチェサピーク湾入口にできたジェームズタウンが、実質的に初めてのイギリス植民地です。食糧不足とマラリアに苦しめられ半年に104人中51人が亡くなるという悲惨なスタートでした。

 ニューイングランド植民地の祖となった清教徒の一行(ピルグリム・ファーザーズ)は、バージニア植民地の北部を目指して船出したのですが、嵐でコースを外れ、1620年の11月に現マサチューセッツ州のケープコッド岬に流れ着きました。雪に閉じ込められ船内で冬を越すしかなく、病気で102名の移民のうち半数が亡くなりましたが、友好的なインディアンにとうもろこしの栽培を教わり、何とかプリマスに入植を開始しました。

 幸い翌年は豊作で、収穫を祝ってインディアンを招き、神の恵みに感謝して一緒に食事をしたのが一般に「感謝祭」の起源と言われています(本当は、それより昔に各地で似た行事があったそうです)。

 というと、初期のイギリス植民地人とインディアンの関係はいかにも良好だったようですが、最初の「感謝祭」の翌年1622年には、ジェームズタウンで、インディアンによるイギリス植民の大虐殺が起きています。

 プリマスのピルグリム・ファーザーズも防衛を固め、その後、騎兵隊とインディアンが戦いを繰り広げた西部劇の時代まで、長い対立の歴史が続くのです。平和と友好は難しいですね。


ホロホロ鳥と間違えて「ターキー」


野生の七面鳥(メス)

Wild Turkey (Hen) 

ホロホロチョウ

Turkey Fowl

野生の七面鳥(オス)

Wild Turkey (Tom)

 七面鳥はキジの仲間で、北米原産です。ヨーロッパで「トルコ鶏」と言い慣わされていた北アフリカ原産のホロホロチョウと間違えて、ターキーと呼ばれるようになりました。右の写真を見ても、ワイルドターキーのメスとホロホロチョウは確かにそっくりですね。

ワイルドターキーの原産地

 ちなみに日本語では、普段赤い咽喉のまわりが興奮すると青や紫に変色する様子が面白く、七面鳥(七つの顔を持つ鳥)と名づけられました。

 ヨーロッパにも持ち込まれ、主に感謝祭ならぬクリスマスの食卓を飾るご馳走になりました。

Broad Breasted White

 英語でオスの鳥はコック(Cock)ですが、スーパーの食品売り場の値札には、普通、トムと表示されています。

 メスはヘン。体の大きさはだいぶ違いますが、味や肉質に際立った違いはないようです。

 オス・メスの表示なしで売られていることもありますが、重さが16ポンド(7.3kg)より軽ければメス、17ポンド(7.7kg0より重ければオスというのがおよその目処で、別段気にすることはありません。

 七面鳥は養殖用に飼いならされて品種も多数できました。一般に売られているのは、羽毛が白いブロードブレスト・ホワイトと呼ばれる品種です。