フィットネス・クラブには入っておられますか?ラケットボールやスカッシュのコートがあるのに、使ったことがないという方はおられませんか?英語でコーチに教わるのも、おっくうですものね。

 私たち夫婦は、日本にいた頃にはスカッシュ、こちらに来てからはラケットボールと、詳しいルールを知らないまま適当にプレーしてきたのですが、でたらめでも下手でもそれなりに楽しいしよい汗をかくことができるスポーツです。2つまとめて皆さんにご紹介してみましょう。

 どちらかというと、アメリカではラケットボール・コートの方が普及しているようですが、探せばスカッシュ・コート付きのフィットネス・クラブもありますし、マイラケット、マイボールをお持ちになれば、ラケットボール・コートでもスカッシュの練習くらいはできます。


ラケットボールの歴史 スカッシュの歴史
 アメリカには、片手に手袋をはめて屋内でボールを打ち合うハンドボールというスポーツがありました。1880年代にアイルランド移民によって持ち込まれたと言われています。1948年に、スカッシュとハンドボールを合成して発明されたのがラケットボールで、側壁はもちろん後壁や天井もコートの一部でサーブ時以外には「アウト」がないのが他の球技と異なる最大の特徴です。  果物をつぶした飲物「スカッシュ」と同じ語源で、握りつぶせるほど柔らかいボールを使います。19世紀初頭ににイギリスの刑務所で囚人たちが壁にボールを当てて遊んだのが発端との説があります。側壁も後壁も使えますが、アウト・ラインより高い所に打った球は「アウト」になるところなど、ラケットボールに比べるとルールは少し複雑です。
ラケットボールの道具 スカッシュの道具

 ラケットは短めですが、球はテニス・ボール同様によく弾むので、振り切れば200km以上のスピードが出ます。メガネと手袋をはめてプレーします。

 球が柔らかいので、思い切って叩かないと壁に跳ね返りません。その分、相手を翻弄するバラエティーに富んだ球種を繰り出すこともできます。

ラケットボールのコート スカッシュのコート

 幅20フィート(6.1m)奥行40フィート(12.2m)高さ20フィート(6.1m)で壁にラインはありません。サービス・ゾーンは左右いっぱい使えますが、赤の部分はダブルスのサーブ中にパートナーが待機する場所、ピンクの部分はサーバーが自分と側壁との間にドライブサーブを打ち込む場合に入ってはいけない場所です。

 幅6.4m奥行9.75m、天井の高さに決まりはないようですが、最低でもアウト・ラインの高さ(フロント・ウォールで4.75m)が必要です。

ラケットボールのサーブ スカッシュのサーブ
 サーバーは球を床に1回バウンスさせた上、直接フロント・ウォールに打ち込みます。跳ね返った球は、側壁に1回当たってもかまいませんが、ショート・ライン後方の床に達しないといけません。球が着床するかレシービング・ライン上を通過してインプレーになるまで、サーバーはサービス・ゾーンの中、レシーバーはレシービング・ラインの後方に留まらなければなりません。  サーバーは、左右いずれかのサービス・ボックスに片足を置いてサーブします。打った球は、フロント・ウォールのアウト・ラインとサービス・ラインの間に直接当たって、レシーバーがノーバウンドで球を打って返さない限り、サーバーの位置と逆サイドのクォーター・コートに着床しなければなりません。ラケットボールと違い、サーブは1回限りです。
ラケットボールのラリー スカッシュのラリー
 ラリーは極めて自由なようです。プレーヤーは、床にノーバウンドかワンバウンドの球を打って、床にノーバウンドでフロント・ウォールに当てれば、壁や天井に何回バウンドさせてもかまいません。球を返せなかったり、自球に当たったり、ラケットの持ち手を変えるなどの反則行為をした場合にラリーは負けです。  プレーヤーは、床にノーバウンドかワンバウンドの球をフロント・ウォールに対して、交互に打ち返します。側壁や後壁を使う打球も有効ですが、線上も含めアウト・ラインより上やティンより下は「アウト」です。相手が邪魔で打ち返せない場合はプレーを中断し、レフリーに「レット=やり直し」か「ストローク=妨害」または「ノーレット=妨害なし」の判定を託します。
ラケットボールの試合 スカッシュの試合
 サーバーがラリーに勝つと得点します。ラリーに負けるか、サーブを2回連続で失敗(ダブル・フォールト)するか、側壁サーブなどの反則行為をした場合にサーブ権が相手に移動します。アマチュアの試合は15ポイント先取の2ゲーム戦で、タイの場合には11ポイント先取のゲームで決まります。プロの試合は11ポイント先取(デュース制)で3ゲーム取った方が勝ちです。  日本は国際方式で、サーバーがラリーに勝つと得点します。ラリーに負けるかサーブを失敗する妨害ポイントになり、無い時は、サーブ権が相手に移動します。試合は9点先取の3ゲームが一般的で、8-8になるとレシーバーに10点先取にルールを変更する権利が与えられます。アメリカでは、サーバーにもレシーバーにも加点される15ポイント制がより一般的です。
ラケットボールの関連団体 スカッシュの関連団体