アメリカの 「家事とお料理」・e-ガイド(印刷ページ

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豚肉(ポーク)のカット部位

★トンカツにはポークロイン ★ハムとベーコン ★オーブンでハムの丸焼き ★野菜ダシのローストポーク

 ★焼き豚代わりに常備の煮豚 ★オーブンでスペアリブのバーベキュー


 アメリカ人には、バーベキューでじっくり蒸し焼きにするとおいしいスペアリブ(ばら肉)が貴重品です。詳しくは、「料理とレシピの工夫」のページをご参照。


トンカツにはポークロイン


アメリカ式の豚肉カット部位の呼称

 トンカツには、「ポークロイン」を使いましょう。昔に比べると、ずいぶん値上がりしてしまいましたが、それでも(換算して)百グラム60〜70円くらいでしょうか?

 ヒレカツには「ポークフィレ(Pork Fillet)」や「ポークテンダーロイン(Pork Tenderloin)」と表示されたお肉が一番ですが、わざわざ奮発しなくても、スジが少なく柔らかそうなポークロインの塊を選んで買ってくれば、ヒレカツに使える上質のお肉がたっぷり含まれています。残ったら、ぶつ切りに小分けして冷凍庫で保存…カレーやシチュー用に使いましょう。

イギリス式の豚肉カット部位の呼称

 肩ロースは「ブレードショールダー」または「ボストンバット」と表示されています。旨みと風味を味わえる霜降りの部位。肩肉の「ピクニックショールダー」は、さらにずっと安いので「クズ肉?」と疑われるかもしれませんが、心持ち固めながら、煮込むとしっかりした味が出るいいお肉です。

 ただし、肩ロースや肩肉の塊には複雑な形の骨が入っていて、奥様方にはきれいに切り分けられないかもしれません。料理に慣れないご主人に頼む時には、「油で包丁が滑りやすいから、気をつけて!! 」と一言優しく声をかけてあげてください。


ハムとベーコン


 ハム作りに使う部位は「レッグ」(またはピクニック・ショルダー)、ベーコンに使うのは「サイド」です。ベーコンは、豚のおなかの皮下脂肪なんですね。ハムは、もともとは、保存食として開発された豚肉の塩漬けです。アメリカのスーパーには、「カントリーハム」という目が飛び出るほど塩辛いハムが売られていますから、間違えないでください。

 普通のハムは、シロップに浸けて塩辛さを抑える工夫をしています。蜂蜜のシロップを使っていれば「ハニーベークトハム(Honey Baked Ham)」、カナディアンハムといえば、たいていメープル(カエデ)シロップを使った「メープルグレーズドハム(Maple Glazed Ham)」です。

 ほかには、焼き方で、「オーブンロースティッドハム(Oven Roasted Ham)」やヒッコリーの木で燻製にした「ヒッコリースモークトハム(Hickory Smoked Ham)」。「ブラックフォレストハム(Black Forest Ham)」は、本来はドイツ南西部のブラックフォレスト地方で生産されたハムですが、北米で売られているものは名前だけ拝借しハム…ガーリック(ニンニク)とコリアンダーなどの香辛料を使っています。

 「ターキーハム」は材料が七面鳥で、ハムとしては番外ですが、豚肉系のハムより脂肪が少なくダイエット向きです。

図のように骨が入っています。


(ホリデーメニュー) オーブンでハムの丸焼き


 ところで、日本で目にするハムは、スライスしたハムかボンレスハムと決まっていますが、ボンレス(骨なし)があればボーンイン(Bone-In=骨付き)もあるのが道理…アメリカでは、ホリデーシーズンの食卓を、ハムの丸焼きと七面鳥の丸焼きが飾ります。

 中には、シロップでハムの肉に味付けするところから始めるご家庭もありますが、味付けした生のハムを買って来てオーブンで焼くのが平均的ご家庭。もちろん、完全調理済みを買ってくれば面倒はありません。

 骨付きハムは、普通、モモで半々にカットした形態で売られています。尻に近い方がバットで、すねに近い方がシャンク。蒸し焼きにするため、オーブンの下の段に水を入れたトレーを置く関係で、ハムを置くスペースが広く取れませんから、あまり大きすぎるとたいへんです。

e-レシピ バット(尻-もも)とシャンク(もも-すね)はどちらがうまい?

ホリデーシーズンにわが家で焼く生の骨付きハム

 「ハム」はブタのお尻から後ろ足にかけての部位を塩漬けした肉ですから、本来は骨付きです。バット(尻ともも)とシャンク(ももとすね)とどちらがよいかというと、味ではコラーゲンたっぷりのバット。特に腰骨の周りが美味しくて、犬が骨にしゃぶりつく気持ちがよく分かるようになります。ただし、腰骨の周りは切り分けにくいのが難点。味はあっさりめでも、シャンクの方が切って盛り付けるのには楽です。全文を読む (2012年10月)


(ホリデーメニュー) 野菜ダシのローストポーク


 もう一つホリデーシーズンに欠かせないローストポークのレシピをご紹介しましょう。お醤油ベースの和風味なら、いつまでも飽きが来ません。

e-レシピ アメリカ人のお客様にも喜ばれるガーリック風味

野菜ダシを馴染ませたロースト・ポークロイン

 ホリデーシーズンの作り置きにお勧めのレシピ。豚肉もだいぶ値上がりしていますが、ばら肉(リブ)以外の部位なら、それでも安いですね。ガーリック風味のローストポークは珍しくなくても、野菜ダシを浸み込ませたレシピはないようで、アメリカ人のお客様にも喜ばれます。ニンニク嫌いの皆さんは、塩コショーを多めに振ってニンニク抜きでお召し上がりになってはいかがでしょう。全文を読む (2011年12月)


(常備菜) 焼き豚代わりに常備の煮豚


 アメリカ生活の「食」の不満をちょっぴり解消する常備菜です。ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、サトイモなど、適当に残り野菜を見つくろって煮込ます。材料の豚肉は、ロース(Pork Loin)でも、ヒレ(Tenderloin)でも、あっさり味のもも(Ham=未加工)から霜降りの肩ロース(Boston Butt)まで、お好みでどこでもかまいません。

e-レシピ 焼き豚が手に入らなくて困っていませんか?

ラーメンや煮込みに便利に使える常備の煮豚

 ラーメンには焼き豚がないとさびしいですね。シナチクは日本食材店で買えますが、焼き豚は意外に手に入りません。そこで、代わりに煮豚を作りましょう。肉を小口に切り分ければ、味がしっかりした煮豚を短時間で作ることができます。冷凍常備して、お弁当のおかずに使うもよし、チャーハンやサラダの具に使うもよし。煮汁も捨てずに、残り野菜を煮込めばイージーで美味しい一品が完成します。全文を読む (2011年5月)


(バーベキュー) オーブンでスペアリブのバーベキュー


e-レシピ アメリカで本格バーベキュー用の肉といえば…これっ!!

オーブンでスペアリブ(豚ばら肉)を焼いてみましょう

 前回、スペアリブ(豚のばら肉)のお料理のとき買って来たお肉に、オーブンでバーベキュー風に焼くレシピが付いていたので、ついつい脇道にそれて、今回は、アメリカ人が大好きなスペアリブのバーベキューにチャレンジしました。時間は少し要りますが、難しそうで実は簡単です。お肉はスペアリブの代わりにベビーバックリブを使いました。スペアリブより少々割高ですが、柔らかくておいしそうです。全文を読む(2009年2月)